ルイ15世による栄光の時を迎える一方で後に訪れる革命の予兆も芽生え始めていた、18世紀フランス。数年ぶりとなる姉・リアとの再会を前に浮き足立っていた青年警官のデオンだったが、その願いは叶わなかった。姉が不可解な失踪事件の被害者となってしまったために。デオンは従者となったロビンと共に、リアの姿と事件の謎を追い求めていく。
メディアミックス化展開中の『シュヴァリエ』小説版。マガジンZで連載中のコミック版の前日譚になってます。
てっきり冲方氏本人が書いているんだと思って購入したのですが、実際はアシスタントの人が大部分を担当された様子。あとがきによれば、冲方氏が担当したのは1話目だけのようです。
で、肝心の感想ですが。……うーん、正直微妙だったかも。いや、決して面白くなかったわけではないんですが、なんというか。設定や小道具の使い方などは如何にもなんだけど、いま一つ文章のキレが悪いように感じてしまったりとか、そんな感じで。
内容そのものは、デオンの成長物語として普通によく出来た作品だったと思います。それだけに随所で、「この部分、冲方氏が書いてたらまた別の表現だったのかも」とどうしても思ってしまったんですよねぇ……。
別に冲方氏の目指すものがどこであろうと構いませんし、アシスタント制度にもとりたてて物申すつもりはありませんが(懐疑的ではあるけれど)、やはりご本人が書いてくださるほうが嬉しいよなぁ、とちょっと思った今日この頃(苦笑)