『風の王国 朱玉翠華伝』[毛利志生子/集英社コバルト文庫]

 唐代、異民族に嫁いだ文成公主の人生をベースにした物語、7冊目。今回は雑誌コバルトに掲載された短編及びコミックをまとめた短編集。
 あ、さり気(?)に今後の翠蘭の運命ばらしてる。ということは、やはりそうなるまでも書くってことなんでしょうか。……時期的なものもありますが、次巻のタイトルを見るに本編もそろそろターニングポイントになるのかな。
 それはさておき今回の短編集。朱嬰と翠蘭の出会いから吐蕃へ旅立つまでの話や、輿入れ前の行儀見習いで翠蘭が後宮に入れられていた時の話、そして本編2巻に絡んだ話。個人的お気に入りは「花の名前」(翠蘭が後宮にいた時の話) 例の有名人が出てきただけで嬉しかったですが、その彼女の描写がなかなか良い感じで。本編で登場することはないでしょうが、彼女が成り上がる過程を見てみたい気がしました。あと、本編2巻後のエピソードを描いた「凍れる月を踏んで」はしみじみ切ない話で、展開は読めるんだけどそれでもラスト付近はちょっとじーんとしました。コミックは個人的にはなくても良かったけど、密かに期待しているカップリングを押してくれてる(と思う)ので、やっぱりこれはこれであってもいいか、とも思ったり(←手前勝手)
 さて、来月にも新刊が予定されているようですが、果たして史実展開に突入するのか。いろいろ期待しつつ待ちたいと思います。

作品名 : 風の王国 朱玉翠華伝
    【 amazon , BOOKWALKER
著者名 : 毛利志生子
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-600769-6
発行日 : 2006/6

著者別索引。

自動で作成できれば楽だしと頑張ってみたんですが思うように出来ず、結局html作成時のをベースに手書きで作成。そのうち良い方法が思いついたらいいんですけど。あと未作成なのは雑記の過去ログ一覧。これも頑張ってるんですが、やっぱり苦戦中です……。

『オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け』[栗原ちひろ/角川ビーンズ文庫]

 薬師のカナギと謎の詩人、元暗殺者の少女ミリアンの3人の旅路を綴ったシリーズ第3巻。
 読了後、「あれ、このシリーズこんなに面白かったっけ?」と素で思いました(失礼) 今回の話で勢力関係等がこれまでより詳しく示されたことと世界そのものがある種の転換点を迎えたことで、百歩譲っても危ういとしか言いようのないその状況に俄然興味が湧いてきたというか。まぁそんな感じで。
 あと、メイン3人の間に連帯感というか信頼感というか、微妙な仲間意識が形成されているのはなんとなく微笑ましかったです。詩人に彼曰く「神罰」が下されてからのミリアンとの会話が個人的にはお気に入り。
 最後はまた意外な展開に。どうにも末期的状況に陥りつつある危うい世界が、カナギたちをも巻き込んでどのように流れていくのか。遠い都から世界を見つめる王と彷徨う鳥は何を想うのか。次の展開が楽しみです。

作品名 : オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け
    【 amazon , BOOKWALKER
著者名 : 栗原ちひろ
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-451403-7
発行日 : 2006/5/31

三国志マガジン9号。

毎度のように、需要を考えず適当感想れっつごー。

【彷徨う鈴影(志水アキ)】
甘寧の話……って、クワンから干吉道士が友情出演してるし。それはともかく、話の内容としては……うーん、面白かったことは面白かったですが、黄忠や鐘会の話ほど「おぉ!」と思うことはなかったかな。

【火鳳燎原(陳某)】
第27回と28回が掲載。今回は文醜戦闘開始と残兵VS呂布の前哨戦。内容的には特にコメントすることなしかな。つーか、このペースだと次号で「趙雲」(第32回)まで行くかかなり疑問。張遼(第31回)ですら微妙かも。あ、でも次号予告見る限り32回まで行くっぽいか。まぁなんにしろ、もうちょっとサクサク進んでくれないと脱落する人が増加する一方な気が。やっぱり隔月雑誌掲載というのは痛いと思う今日この頃です。

【諸葛の魔陣(こしじまかずとも)】
ここまで変なキャラ付けされる孔明も珍しい、という感じ(笑) まぁ、変人具合でいえば「泣き虫弱虫~」ほどではないけどね。暗黒面に落ちただけっぽいし(←それは「だけ」の一言ですむ問題ですか)

【大不忠者-沮授伝-(黄十浪)】
……目のつけどころは悪くないと思うんだけど、悪い意味で普通というか淡々としてるというか。

【社稷の臣(中島三千恒)】
陸遜と孫権の話。まぁ普通に読める。ただ、もうちょっと孫権側を書きこんでくれても良かったような。

【捕風船(佐々木泉)】
魯粛話第5話。合戦シーンはやっぱりイマイチ。ですが話そのものはやっぱり面白かったし、何より穏やかな雰囲気が好きだなぁと思います。次回はいよいよ赤壁か?

【曹操孟徳正伝(大西巷一)】
郭嘉ーっ! ここ数回でなかなか良いキャラぶりを発揮していただけに惜しい人を亡くしたなぁ、という気分。他は……うーん、やっぱり全体的に端折りすぎ。おかげで曹操の変貌もラストの荀彧の姿も説得力が何もない感じ。

今回は読める(というか好みに合う)作品が多くて良かったです。次号もこのレベルは保ってくれますように(祈)

『陸小鳳伝奇2 繍花大盗』[古龍/早稲田出版]

江湖を騒がす謎の盗賊、「繍花大盗」。髭を生やした男だというその盗賊は、華麗な牡丹の花を刺繍する一方で対峙する者を瞬く間に盲目に仕立てるという。陸小鳳は、ひょんなことから捕り手として名高い金九齢に力を貸すことに。

 陸小鳳シリーズ第2巻。独立した話かと思いきや、微妙に1巻からの続きといった側面があり。しかも、リンク部分の一部(というか登場人物というか)は今回の翻訳版で補完された箇所なため、小学館文庫版を読んでる方でも一度は何とかして早稲田出版版に目を通される方がよろしいかと。
 それはさておき、今巻の感想。あらすじやなにやらからはミステリ色が強い話なのかなーと思っていたのですが、読んでみると案外そうでもなく(つーか、逆に期待しすぎると……かも) 公孫大娘が陸小鳳を評して「おまえはなぜかしらいきなり賢くなるときがある」と言ってましたが、正にそんな印象。1巻に引き続き、あれやこれやと動いているうちに、いつの間にやら事件解決の糸口をつかんで黒幕追い詰めてますよこの人、みたいな。これで面白くなければキレますが、この人の場合は面白いから何でもいいです(適当)
 登場人物の話。花満楼は出番少な目でしたが、数少ない登場シーンではその良い人振りを見せつけてくれました。とことん良心的存在ですな彼は。西門吹雪は1巻でも退場となった某場面の影響で、今回出番なし(彼に関する序盤の会話では、思わず噴出しました) この二人が実質休みだった影響があるのかないのか、陸小鳳は主役として奮闘。終盤に用意されている「繍花大盗」との決闘では、素で「うわ、この人本当に強かったんだ!?」と少し彼を見直しました(失礼) あと、今回ある意味大活躍だったのは、1巻でも少し登場した司空摘星ではなかろうかと。最初は陸小鳳と「子供の喧嘩か」というような勝負の話も楽しかったですが、再登場時の行動がまた良かったと思います。最後になりましたが、剣客・葉孤城もかなり傍迷惑な登場。これだけだと何しに出てきたんだこの人?という感じですが、次への顔見せだと思えばまぁこれはこれで(贔屓目)
 「繍花大盗」を巡る事件は苦い結末になりつつも無事解決。けれども、陸小鳳には新たな気がかりが。彼が出向こうとしている先では一体何が待ち構えているのか、というところで以下3巻へ。

作品名 : 陸小鳳伝奇2 繍花大盗
    【 amazon
著者名 : 古龍
出版社 : 早稲田出版
ISBN  : 978-4-89827-315-9
発行日 : 2006/5