『営繕かるかや怪異譚 その弐』[小野不由美/KADOKAWA]

とある営繕屋の青年が関わる、「家」に絡んだ怪異の物語、約4年半ぶりの続刊発売です。

1巻と比べると、「家」が直接の原因ではない出来事が多めではありましたが、怪異との距離の取り方が絶妙なのは変わらず。それにしても尾端氏はいったいどこでああいう「修繕」方法を身に着けたんだろうかとだんだん不思議になってきました。あと、彼の友人で密かにやっかいな事案に遭遇してる確率が高そうな堂原氏、描写がやや少なめなのもあってなんだか気になる。
収録されている作品は、1巻と同じく6編。個人的に好きなのは「芙蓉忌」。1巻に収録されていた「雨の鈴」にも似た、どうにもならない禍をどうするのかと思ったら……確かににそれぐらいしか打つ手はなさそうだけど「なるほどな???」となるなかなか力技な対応だった(笑) しかし、貴樹(この話の視点人物)がまだ「芸妓」に心が囚われたままなのと投げ込まれる文が、なんとも言えない気分にさせてくれますね……。その他では、「まつとし聞かば」と「まさくに」が印象的でした。

また数年後にひょっこり3巻が発売されるのかな。楽しみです。

作品名 : 営繕かるかや怪異譚 その弐
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著者名 : 小野不由美
出版社 : KADOKAWA
ISBN  : 978-4-04-106046-9
発行日 : 2019/7/13

宝塚星組「GOD OF STARS-食聖-」を観てきた話。

現トップコンビ・紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの退団となる公演。時々一緒に観劇に行く母がこのおふたりのことを気に入っていたので、たまには親孝行するかとチケット取って行ってきました。以下、いつものようにさらっと感想。
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『民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき 』[神尾あるみ/富士見L文庫]

民俗学のフィールドワーク中に「呪われて」しまった大学院生・名鳥歩。周囲で不可思議な出来事が頻発し、命の危険が迫った名鳥に、担当教授が紹介したのは「怪異喰らい」の青年・朽木田千影。ふたりは名鳥が呪われた現場だと思われる福井のある農村を訪れ、「呪い」に迫っていく――というあらすじのオカルトミステリ。

名鳥が「何」に呪われたのかは序盤で明らかになるんですが、「そうか蛇かーそれは厄介だなー」と即座に反応してしまったのは何から得た知識だったろう……百鬼夜行抄あたりかな……?とどうでもいいことを考えつつ。冷静に眺めるとかなり陰鬱な状況な上に結末も苦味のあるものだったにも関わらず、名鳥の微妙にずれたお気楽さ・お人好しさの影響か、読後感はそう悪いものになってないのが面白い。
脳天気なようでさらっとシビアに自分が好きだったり大事だったりするものを選び取っている名鳥と、始終不機嫌で他人と距離がある千影の主役コンビがなんだかんだと距離を詰めながら徐々に呪いの根幹に迫っていく過程はなかなか楽しかったです。つーか、異能持ちの千影よりも名鳥のほうが実は相当変わり者なように思えるのは気のせいですか。気のせいじゃないですよね。

こういう陰が滲んだ雰囲気のお話は好きだし、千影のあれこれとかまだ伏せられてる情報も多そうだし、続刊が出たら嬉しいなーと思います。

作品名 : 民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 神尾あるみ
出版社 : 富士見L文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-073194-0
発行日 : 2019/7/13

宝塚雪組「壬生義士伝」を観てきた話。

「今度の雪組、歌がテーマのショーらしいから間違いなく楽しめるだろうし、せっかくだから行こうかなー」と軽いノリでチケット確保して、行ってきました宝塚大劇場(ちなみに、縁があって2回観劇) 以下、いつものようにさらっとした感想です。
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